バルカンどうこうの話題を出したという事で…「第12惑星ヤハウェ」がどーとか、見るからに怪しいタイトルの本を手にとって見ました。中をちょっと見てました…今は知りませんけど、私と同年代のコロコロ読者なら皆覚えているであろう、あの方が書いたものみたいです…そう、あのあすかあきお先生の。…怪しい系からすっかり離れていた私からすると…
「あんた、まだ同じ事やってたのか!」
 という感じなんですが、本人は極めて真面目なのでしょうし、面白ければそれでいいです。あすかあきおではなく飛鳥昭雄になってましたけど…。
 当然…購入しました…もう1冊、極めて真面目な(いや、その…第12惑星書いた飛鳥先生も真面目なんでしょうが)ビッグバン理論の本を…魔法の仕組みで無から有をとかやった以上、現在はどういう方向に話が進んでいるのかを知りたくて…。どうやら1度は認めてしまった特異点ですけど、やっぱり「どう考えてもおかしい」っていう事で、特異点をなくそうとしてるらしいです。でも…ビッグバン理論を信じつづける限り、どこまでいっても新しい疑問出てきますよ、どう考えたって。宇宙空間は時間も空間も∞だと考えた方が遥かに楽なんで、そうしちゃいましょう!事実はどうあれ、その方が気楽だし。無限大の「∞」って記号は上手いですね…メビウスの輪…私は宇宙は閉じられたものだと思ってるです…いわゆる「閉じられた宇宙」の概念じゃなくて…空間も時間もある点でループしてるみたいな…宇宙は膨張してるそうですが、膨張してるとしたら質量保存、エネルギー保存…一体、宇宙を膨張させ、宇宙の質量を増加させているエネルギーは何だろね?…それとも宇宙は密度がどんどん薄くなっていってるの?時間、空間が∞だって考えれば質量保存も何もない、最初から∞!行きつく先はメビウスの輪。まあ、その話はどうでもいいし…特異点よりも今問題なのは惑星ヤハウェなのです!

 買ってからよく見てみると…「ムー」の増刊でした。…買う本間違ったかも…い、いや、面白ければそれでいいや。
 以下、書いてあった内容を紹介します。ふざけて紹介するのは失礼なので、笑いをとるような書き方は一切しない事を誓います。
 どーいう本かと言うと…「タイタン」の写真を「これは、タイタンの写真じゃない!地球の裏側にある第12惑星だ!」と言い張って、本来は赤い星を青く塗りなおしてまで主張する内容です。
 さて、地球の裏側…つまり太陽を挟んで地球と反対の位置にあり、地球と同じ速度で公転しているので決して地球からは見えない惑星として紹介されているわけですが…。裏雑記の時に悠でさえバカにしていたように、そんな事は本来有り得るわけないです。公転軌道は太陽を中心点に真円を描いているわけじゃない、楕円軌道なので…太陽との距離によって公転速度は変化します。小学生はどうか知りませんが、中学生以上ならほぼみんな知っている事です。つまり…「公転速度は一定ではないので、常に地球から見て太陽の後ろにいる事なんか出来るわけない」んですね。…では、飛鳥先生はその程度の事もわからずに言ってるのかというと違います、ちゃんとわかった上で言ってます。…図で見せられて納得しました…なるほど、これなら確かに地球からは見えない…。
 死兆星の正体は惑星ヤハウェです!飛鳥先生の説明によると諸葛亮が死ぬ時に輝いた正体不明の星こそ惑星ヤハウェであり、イエス生誕の時に輝いた星も惑星ヤハウェだそーです。惑星ヤハウェって地球からは見えないはずなのでは?とか、歴史上の大人物の生死にまで影響与えるのか!とか思ったりもしますが…それに対する答えは「与える」という事で…本には書かれてませんが、そーいう事なんだと思います。

 惑星ヤハウェに関してはひとまずここでやめて、第10と第11惑星についてと「兄弟本」で飛鳥先生が書いたらしき内容も軽く書かれていたので、それも説明していきます。
 厄介な事に「真実」と「憶測」が入り混じっていて、しかも筆者の中では「憶測」ももはや「真実」と化してるので、どうにも解説難しいんですが、書いてあった事を「真実」「憶測」見境なく記します。

・冥王星は元々は海王星の衛星だった
・金星は4000年前に木星から誕生した
・実は金星だけでなく地球も火星も水星も月も木星から誕生した
・火星には文明があったが木星から生まれたヤハウェと金星に滅ぼされた
・火星と木星の間にある小惑星郡は元々は1つの惑星(第11惑星)だった
・冥王星の更に外側に第10惑星がある
・木星はガス惑星ではなく岩石惑星である
・大赤班は台風ではなく火山の噴煙である

 他にも色々と驚愕の事実が書かれていましたが、それは割愛。惑星ヤハウェもまた、木星から生まれたそうで…金星もそうなんですが…彗星として誕生したそうです。でも、彗星って岩石で出来てるのか?
 つまり、大赤班の下にある巨大火山の噴火によって生まれるらしいんです、新しい星が…「惑星レベルの大きさの天体が生まれるのか!」などと言うなかれ!大赤班だけで地球の直径の…でも、木星が岩石で出来ているとすると、公式発表されている質量はウソって事ですね。それか、とんでもない軽石か…。とりあえず、火星以下の内惑星は木星の子供であるわけで、木星と成分(?)は同じって事になりますね…。別に私はこの木星は岩石だっていうのを馬鹿にはしてません。そもそもが天体に関する公式発表自体信じてませんから。質量にせよ大気成分にせよ私達には調べようがないわけで、発表されたらそうと信じるしかない。どうやって調べたのかは知らないですが…。だから、「木星=岩石」は驚きもしないし馬鹿にするつもりもない、でも逆に言えばそれを信じるつもりもない。
 ただ…飛鳥先生は…あの…太陽系惑星の法則…「惑星の位置は計算で求められる」…だから、天王星は見つかったっていうアレを肯定した上で話進めてるのに、元々は木星の内側に惑星がなかったって言うのでは…計算合わないじゃないっすか、それ。木星と火星の間にある小惑星群も計算で求められた位置にあった…でも、金星はたったの4000年前に生まれた惑星…だとするなら、4000年前はその法則通じなかったわけですか?おかしいだろ、それは?そういえば、キングギドラが金星の文明を破壊したのが4000年前でしたっけ?生まれたばかりの灼熱の惑星に文明があって、そこでキングギドラ大暴れ♪なかなかに爽快な図ですな。金星人はテキオー灯でも持ってたのかしら?まあ、ゴジラの話はどうでもいいか。
 とにかくまずは彗星として生まれたヤハウェは…いきなり…後に小惑星群となる惑星フェイトンだったかな?破壊します!ヤハウェの方が大きかったのでフェイトンが一方的に破壊されてヤハウェは何事もなかったかのように…いえ、舎弟とでもいうかフェイトンを裏切ったというか元フェイトンの小惑星群を引き連れて突き進みます…どうやって引き連れたかは知りません…重力かな?でも、その場合…隕石という形でヤハウェに降り注ぐのでは?何で彗星と同じ軌道で突き進むんだ?
 フェイトンの次に被害に遭ったのは位置上…既に文明を築いていた火星。当時、まだ水もあり地球のような豊かな星だった火星はヤハウェの執拗な攻撃で今のような赤い星になってしまったらしいです。引き連れてきた小惑星も乱打して…でも、あまりにも横暴で凶暴なヤハウェについていけなくなった元フェイトンのフォボスとディモスは、その場に留まり火星に付き従う道を選んだようです。…ちなみにどうやって小惑星攻撃をしたかは説明ありません。重力かな?
 2連勝中のヤハウェは次の相手、地球へとやって来ました。まずは小惑星乱打で小手調べ…ところがそこに地球の健気な従者である月が割り込んで地球を守りました…あのちっちゃな月にだけ小惑星が降り注ぎます。ある意味、凄い命中率です…そうでないなら、月が右に左にホントに地球を守ったか…ボクの地球を護ってって感じかな?月にある大量のクレーターはこの時のものだそーです。
 最初の攻撃を防御されたヤハウェはふてくされて更に太陽方面へ向けて…ただ、この時、月は無理がたたって嘔吐してしまい、地球に降り注ぎます。…月の内部にあった大量の水が地球に!これがノアの洪水伝説の真実だそーです。天体から天体へと降る雨…銀河鉄道999にあった光景ですか、豪快ですね。
 一方、ヤハウェは水星に攻撃を開始します。水星にある大量のクレーターはこの時の小惑星攻撃のものだそーです…一体どれだけの小惑星引き連れてたんでしょうか?サラリーマン金太郎並のカリスマですね…惑星ヤハウェ…。…しかし、まあ…このヤハウェという彗星…見事に他の惑星にぶち当たりますな。当時、金星は無かったそうですから…命中率100%ですね。その攻撃性といい…実は人工操縦されてたんじゃないですか?ヤマトに出てきた彗星帝国の正体って…惑星ヤハウェなのでは?
 というわけで、フェイトン、火星、地球、水星を攻撃して…帰路についたヤハウェですが…帰路は当然、これらの惑星にぶちあたるわけもなく、木星、土星も素通りして…天王星…はっきりいって…今までとは相手が違います…たとえるなら…いや、たとえなくていいや…大きさの問題でフェイトンを一方的に破壊したヤハウェですが…天王星とは大きさ違いすぎます…質量でいっても…木星が岩石である以上は土星も天王星も海王星も岩石……ヤハウェ…死にますね…。
 しかし、そこは奇跡の命中率で内惑星をピンポイント爆撃した惑星ですから…天王星の地軸をひっくり返して何事もなかったかのように…ええ、何事もなかったかのように通りすぎ…いえ、どうやら天王星の衛星はしっかりと破壊していったようです…天王星のリングはこの時、ヤハウェに破壊された衛星の残骸だそーです。
 自身は天王星の質量に押しつぶされる事なく、天王星の衛星はしっかりと自身の質量を持って破壊するという奇跡をやってのけて、次は海王星へ攻撃開始します…天王星を横倒しにしてしまう程の惑星ですから…海王星は、横倒しどころか弾き飛ばされリングアウトというか…公転軌道が全然違うものになっちゃいました。海王星が計算式にそぐわない位置にあるのはこの為だそーです。そして同じく弾き飛ばされた海王星の衛生だった冥王星とカロンは…独自の公転軌道を描く惑星となりました…以上、ヤハウェの奇跡でした。
 その後、何があったかは知りませんが…地球の裏側を公転する惑星となり、偉人の生死を知らせるようになりましたとさ。
 まあ、これだけの奇跡起こした星ですし、地球上の偉人の生死ぐらいは知らせてくれそうな気がしないでもないですが…。
 ちなみに「ヤハウェ」というのはNASAがつけたコードネームだそうで、著者は独自のルートで…情報を入手したとか…「筆者が独自に入手した」という記述が割と目立ち…NASAの機密って、こう何度も何度も同一人物に漏洩する程に脆いんだね、とちょっと感心。
 この手の本での「独自に入手した」というのは、ネットで「友達から聞いたんだけど」と怪しい情報を語るのと同じで…ほぼ間違い無く「本人の予想、予測」だけで書かれてるのではないかと思います。まあ、独自に入手したって言うんなら入手したんでしょうが…それをこんな一般向け書籍で大々的に発表してしまって…大丈夫でしょうか?命は大事にね、飛鳥先生!
 「独自に入手した」って表現。これだけでどんな胡散臭い情報でも、とりあえずは書きたい放題。
 独自に入手した情報によると、日本人男子の8割はロリコンだそうです♪真実味ありますね!「独自に入手した情報」という言葉は。
 話戻して、ヤハウェという命名ですけど、ヤハウェというのは知っての通り、キリスト教における唯一絶対の神YHWHの事です。飛鳥先生も言っているとおり、アメリカという国はキリスト教国家です…先生は、だからこそ、第12惑星にこの偉大なる神の名を…みたいに述べてましたが…キリスト教においては…神の名をみだりに口にしてはなりません、だからこそ神聖四文字「YHWH」で表されるんですし…。神は偉大であるからこそ、その名を唱える事は基本的に許されない…神道や仏教と同じ感覚で考えちゃダメです。そして、もう1つ…「真実の名」という概念。これはアイヌにしろ何にしろ、昔の社会では普通に存在していた…「真実の名を知られると呪術の対象になる」みたいな…、その意味もあって神の名を唱える事はないわけです。その意味で考えると…「エデン」とかならまだしも「ヤハウェ」という名前を惑星につけるとは私には到底思えないんですけど…別の意味においても…神の名を口にするのはどうこう無かったとしても、たかだか惑星ですよ?それに世界の創造主である神の名を使いますか?…確かに太陽系の星々はローマ神話、ギリシア神話の神々の名が使われてますが…それとは別次元でしょう?他の話はどうでもいいとして、このヤハウェという命名だけはちょっと気になっちゃったゆうちゃんでした。
 面白い話として…木星から金星が生まれたというのはギリシア神話のゼウスの頭からアテナが飛び出た事を意味する、とか。
 ゼウス=ジュピター=木星はわかりますね?で、飛鳥先生によるとアテナは金星の神なんだそうです…
 金星は今でこそ穏やかなものの、生まれた時は「ヤハウェ」と同じく大暴れして…凶暴な星という事で戦女神アテナを…と。
 メティスを飲み込みヘパイストスが頭をかち割り、アテナが生まれた。これは「飲み込み」というのは木星に天体…彗星が衝突した事を表し…頭をかち割り…その血が大赤班…そしてアテナが生まれた。
 面白い話ではあります…が、古代ギリシア人が木星に彗星が衝突してそして金星が生まれたという事実を知っていないと無理ですわな。それを持ち出すと…これはもう超古代文明とかに行き着くしかないわけで…あ、そっか…ムーなんだっけ、これ…専門分野か…。
 ちなみにゼウスの頭かち割ったのはプロメテウスですね、一般的には。ヘパイストスとする説もありますけど、時代が合わない…ギリシア神話には時代的矛盾はいっぱいあるので気にしちゃいけませんけど、プロメテウスでいけば問題ないわけですから、敢えて矛盾が存在するへパイストス説をとる必要はないわけです。
 ヘパイストスというのは…ゼウスが頭からアテナを誕生させたのを見て…「ゼウスは1人で子供を産んだ。これは妻である私に対する冒涜だ!」みたいに思って…ヘラっていうのは…嫉妬深い何やら「悪役」「悪女」のイメージしかないですけど「自然な男女」1対1の付き合い、それを大事にしていたわけで…だからこそ浮気をするゼウスを許さなかったんですが…とにかく…真実は「アテナを宿したメティスを飲み込んだものの、神は不死身なのでゼウスの体内でアテナは成長し、そしてゼウスの頭から飛び出した」というだけで、ゼウスが産んだわけではないんですが、そんなことを知らないヘラは…
「ゼウスに出来る事が、私に出来ないはずがない…私も自分1人で産んで見返してやる」
 と、そんなこんなで実際に1人(さっきから1人と書いてますが、本来は1柱ですね…でも、わかりにくいので1人とします)で産んでしまったのがへパイストスなわけです。
 ヘパイストス説を採用すると、ヘパイストスがゼウスの頭をかち割り…それを見たヘラがヘパイストスを産んだという…わけのわからない話になってしまいます。まあ、その為、へパイストス説の場合はヘパイストスはゼウスとヘラの息子で、アテナ誕生の見返しとしてヘラが産み出したのはテュポーンという事になってるんですが。
 あと、語る事としては金星神としてのアテナですか?知っての通り、金星は英語ではヴィーナス…つまりギリシア神話ではアフロディーテという事になります…アテナじゃないです。アテナとアフロディーテといえば…トロイア戦争を引き起こしたライバル関係…全然関係ないようにも思えますが…元々…同じ神だったという説もあり…だからこそアテナは美の神にも匹敵する美しさを持っており、そしてアフロディーテには…知名度は低いものの「戦いの女神」としての側面もあるわけです。ちなみに「元々同じ神」というのは神話以前の古代ギリシア人の信仰での意味です。神話として物語となる時には2つの神を融合させたり、逆に分裂させたり…その両方が入り混じってたり。

 最後にちょっと…月も木星から生まれて…地球の衛星となったとありますけど…現在の天文学の常識では確か「地球から分離」した…「地球の一部」それが月…じゃなかったですか?まあ、地球が木星の子供だというなら…月は孫なのでは?

(2001年 5月29日謎雑記より抜粋)