「…いや、まあ、…その答えが本気なのか冗談なのかはもはや聞きたくもないので流すとして今日はジョジョ第5部の完全解析書です」
 ケチつける為に買ったんだよね!
「そんな事はないです…何で好き好んで「ムカつく」本買わないといけないですか…それがわかってて買ったのは山本先生の本ぐらいしか思いつきません。でも、読んで「ヒデェ」と思ったのは確かです。攻撃するしかあるまいな。著者は3人いるんですが、寺田英司という方がサイアク」
 何歳?
「28歳ですね。私が雑記で深夜に眠気をこらえつつバカ書いてるのと同レベルなのを書いて「自分は何て頭がいいんだ」と浸ってる感じですね、この人は。会話形式は辛いんであんたには消えてもらって、以下…ジョジョ第5部の小説並にヒドイこの本についてを、この雑記自体読む事をお勧めしません、私は」
 いいもん、氷ぶつけるから。



 まず、ジョジョを「知らない」という気がします。最低「愛」はないです。この手の本を書くにはその作品の「マニア」である必要はあります。「マニア」でありながらも心頭せず「冷静」にモノを見る事が出来る人。…冷静に物事を見る事は出来ているようですが、ジョジョの事をわかってないので…。



「親子のからみを期待していた私たち読者にとって足元をすくわれてしまった感が強い」
 DIOとジョルノの何らかのアクションを期待していた、と言っているわけですが…もちろん期待していた人もいるでしょうが…ジョジョファンならば「それは無い」事は承知していたはずですし、そんな「安易」な展開が無いからこそ「ジョジョ」であるはずです。もし、第5部にDIOが出てきたなら途端に作品の質は落ちていたのではないでしょうか?



「つまりDIOとジョルノはスタンドという特異な力を除いて言えば、まったく別の人生を歩んでいるということではないだろうか」
 と、この一文になるともはや「あんた、バカか?」と言う感想しか持てません。ジョルノに限った事ではなく、父親と同じ人生歩む人が一体どれだけいるのか?しかも「断定」ではなく「ないだろうか?」という書き方。
 この方、以前にもガンダムで心理解析だとか出版したようですが、専門家でもない人が「てきとー」に少なすぎる人生経験で「思った事」を垂れ流しただけなのでは、まさか?このジョジョ本を見る限りは…。中学生レベルですね。



 いちいち書くのも面倒なので省いちゃいますけど、「この本」を書く為だけに「第5部」だけを「目を通した」レベルとしか思えない「作品の理解度」が低い記述が目立ちます。そうではなく、本気でファンだと言うなら「あまりにも作品を読み取る能力、キャラの心理を読み取る能力に欠けてます」。
 最初に書いておきますが、私はこの「寺田」なる人物がかなり気に入りません。あまりにも狭い視野で自分の知ってる事だけが全てと思い込んでいるこの男が。つまり「気に入らない」のでこの方が書く文章全てにケチをつけたくなります。っていうか小説の時にも書いた事ですが「荒木飛呂彦」という天才を前に、その天才の生みだしたキャラを動かす事も出来なければ語る事も出来ないという事。子供の頃の記憶を「ホンモノ」と信じてる時点でどーかしてますが、この人の場合。
 ま、ストーリー解説にある一文で「ファン」ではなかったというのがわかりますけどね。



「「今度のジョジョはディオの息子」と大々的に謳われては新シリーズ、つまり第5部の連載スタートを一日千秋(以下略)」
 えぇ、第4部終了後にわかっていた事は「次の舞台はイタリア」という事だけで、「おぉぉ、またいるはずのないツェペリさんの子孫がッ。実はいつの間にかシーザーが子供をッ」と、こーいうバカ話は出ましたが…それだけです。それとも一部業界で「出回った」のですか?
 しかし、それがあったとして、それは一般ファンではないですねぇ。ましてや私と同じ生まれのこの著者。第5部スタート当時は一介の学生と違いますか?
 大体からしでディオに魅了されたのは「悪行三昧」だの「悪辣非道」だのそんな事じゃないと思いますが。何でディオに人気があったのかもわからない人がウソ書き連ねて…そんなに「金」が欲しいですか?
 ディオとジョルノの関係なんて、どぉぉぉぉぉぉぉでもいー事で、荒木先生なら「そんなどーでもいー事」を描くわけないってほとんどの人がわかってたかと思いますけどねぇ。康一クンがいつ再登場するのかは結構話題になったかと思いますけど…彼はいつの間にやら日本に帰国していたんですね、多分。
 ま、第6部はもはや「ジョジョ」でないのでどーでもいーとして。



「子供時代に熱狂した架空のヒーローが、成長してもなお心の奥底に根強く残っていると思われる」
 心の奥底には色々残ってると思うんですけど、私は。ヒーローとは子供の頃にTVで見たモノのイメージと言いますが、20も過ぎて「仮面ライダー」をヒーローと憧れ、あれが「ヒーロー」だなどと本気で言う人いたら…イヤです、かなり。



「今でこそ、アニメや漫画におけるヒーローの形態は軟弱なものへと変貌を遂げたが、一頃前のヒーローはよく言えば天真爛漫、悪く言えば単純な思考の持ち主と言えた」
 軟弱?「これが子供の頃の記憶をホンモノ」と信じるが故の過ち。どうも「心の奥底に深く残ってヒーローとはこうだ!」と本気で思ってる人は実際にいるようで、それが「寺田」という人。自分がそうなので周りの人も全て「そうなのだ」と思い込んでいる様子。
 差別主義者でもあるようで「子供」を見下している。だから「ガキ」だの「ガキンコ」だの、「ケダモノにも等しい」などと平気で書ける。
 この手の本を書くに辺り、読む側の配慮も無しにこのような「汚い」表現を使える…「生けすかねえ態度は作品の随所でかいま見られた」…などと…「解析」に置いて「自分」を表現する必要はなく、事実のみを伝えれば良い。それが出来ずに「自分の意志」を伝えたいが為に「口語」を使う。どうしようもない程に愚かである。というか無理だから、あなたにはジョジョの解析なんて。…1人だけ明らかにレベル違いますし、他2人と比べて(下間という方もかなり底が浅いんですが、それを遙か下回る浅さというのは…)。
 なんていうか…腹立ち先行でまともに書けないですね。どこ見ても「底の浅い文章」なんですもん。



「しかし、ヒトラーがいる一方で、太宰治や三島由紀夫のように、社会に対する引け目をバネに大きな成功を収めた人もいる」
 幼い頃、劣等感の塊だったりするとロクな大人にならねぇ!って言ってるわけですが、ヒトラーが成功者かどうかはともかく太宰って「人間失格」とかすっごいイヤなモノ書いて…それで自殺してるんですが、それは成功した人生でしょうか?



「ズッケェロの精神構造は(以下略)要するにガキンコなのだ」
   私も「子供」だとか「小学生」とか「頭悪い」という表現よく使いますが、それを本気で書いて出版するこの方の頭の構造はどうなってるのでしょうか?
 最終的な結論は「ガキ」で終わりですか?…このズッケェロの章自体が「寺田英司」本人の事を射抜いてる感じです。

「ズッケェロの行動は実に軽薄だ」
「深く物事を考える能力に欠けているのだ」
「ただでさえ狭いと思われる彼の視野は、まったく本質を捕らえる事が出来てない」
 実際には「寺田」氏は「深く物事を考える」能力はあると思いますが、どんな狭い人生を歩んだのか、あまりにも視野が狭いので、本質を捕らえられない。情報が少ないので考えても真実に行き当たらない。しかし、情報が少ないという「事実」を疑わないので「真実」だと思い込んでしまう。ズッケェロ以下ですか?
 自分自身が推理能力に優れ、洞察力豊かだと思い違いしてるが故に「真実」を知ろうともしない。もっと他人の本読んで下さい。
 正直、この「寺田」氏に解説されてしまった多くのキャラは不幸であり、そのキャラのファンも不幸です。不幸すぎる事に3人の中でこの「寺田」氏がメインを張ってるので「ほとんど」のキャラが不幸な目に遭ってるという。



 何故か、いきなり「武士道」について語りだし「死と隣り合わせてない人物」が「死ぬ事と見つけたり」と言っても説得力が無いと語っていますが、この一文の解釈…未だに多くの説がありますが…「死」を前提にしてるのではなく「死」ぬ覚悟ありゃ、何でも出来るだろ?死ぬ気で主君に仕えろや!というサラリーマン根性を訴えているというのが有力です。成立した時期(つまり寺田氏の言う「戦もない平和な時代」)から考えても。死を前提にしてるなどというあまりにも古い解釈を今、ここで持ち出すというのはどうしたものでしょう?
 この後、暴言に続きます。



「とかく若者とは観念的である。経験や実績に乏しいため、どうしても頭でっかちになってしまうのだ」
 この人に言われたくない。そもそも、20代じゃないですか、あなたもまだ。人生50年としてもまだ20年以上残ってる人間が何を語るのですか?



「最後に愛は勝つと大真面目に唄っていたシンガーがいたが、その彼が一発屋に終わってしまったのも、かつてその歌に熱狂したファンが、様々な社会経験を積んだ結果「うんなわけね〜じゃん」と本質に気付いてしまったからである」
 先にあなたが本質に気付いて下さい。というより「うんなわけね〜じゃん」。若者が常に観念的であるというなら、新たな世代の若者が「その一発屋」を評価しませんか?「大真面目」!?。まさか、貴方自身の事ですか?「貴方自身」が当時「そうか、やっぱり最後に勝つのは愛か」と本気で思ってたんですね?
 しかし、また何ていうかファンが読んだら怒りそうな事を…歌詞を本気で信じるかではなく、メッセージでしょ?「いつか平和が来る」と歌った歌にアンタは「そんなわけないだろ…だからこの歌はヒットしない」とか言うわけですか?



 ドッピオの項では、悪質タクシー運転手の恫喝に脅えたドッピオは臆病だとか言います。しかし、同じ場面…言い返す度胸ある人間がどれだけいるのか私は聞きたい。というか、この場面、逆らう事は危険。「強盗は追いかけるな!」という鉄則(を店員に仕込んでないとこも最近多いようですが)があるように、無理をして「更に被害を大きくする」のは愚か者のする事。要はそのタクシーの悪質さを証明出来ればいいわけで…今すぐその場でどーこーするなんていうのはバカ。
 占い師に対する言葉も「当然」のもので「卑屈」でもなくれば「臆病」でもない。
 多重人格の解析にあたっては…



「本音と建前を使い分けられるのが社会人、つまり成熟した大人と目されているのであれば、ほとんどの人間が(以下略)」
 根本的に「多重人格」を誤解しています。自分で専門書籍から抜粋してまで詳しく説明しているのに、何故理解出来ないのかが疑問。
 人格を意図的に使い分けるのが普通の人で、使い分ける事が出来ないのが多重人格者。多重人格者とはつまり「ガキンコ」とお得意の締め方でしたが…。
 人格とは使い分けが効くものではないです。



「誰にでも備わっている多重人格を意識下に発現できない。その点に問題があるのではないか?」
 では、場所場所によって「言葉」を使い分けるというのはそれが「性格」であり「人格」です。別の人格を意図的にコントロールしてるわけではない。
 精神医でもない人がいきなり「多重人格なんて精神弱い奴が逃げてるだけ」と凄まじい結論を出してしまったわけです…ジョジョ本で。…ホンモノの多重人格者と会話してきなさいな、とりあえず。

(2002年 7月26日謎雑記より)