忘れな草

作詞・作曲:宇徳敬子

-Review-

自分を慰めるすべを考える・・・

ノスタルジックな純日本風の曲。

いわゆる唱歌風のきれいなメロディーに宇徳さんの高音が心地よく響く曲。
忘れていた"子供の頃の何か"を思い出させる曲ではないでしょうか・・・。

「満月〜rhythm〜」に収録されている曲の中で一番"和風な"、
そして「日本語」のイメージの強い宇徳さんの中で一番"和風な"曲。
今の、どこか機械的な音楽の中にあると・・・
極めて異色な曲だけれど・・・一番ホッと出来る曲なのではないでしょうか・・・。

この純和風的な曲を歌う彼女に意外性を感じなかったのは
彼女がきっと「日本語」を大切にしてきたからでしょう。
こういう良い曲はどんな時代も色褪せず、
人々の心を癒してくれます。


-Message-

普通に考えると、アルバムにいれづらい曲なんですけど・・・
「満月」という日本的なタイトルをつけたことで踏ん切りがつきましたね

「忘れな草」を出すのはちょっと恥ずかしかったんです。
でも、何気に聴いていたスタッフが"なんでこの曲いれないの?"って・・・。
"満月"っていう日本風なタイトルが決まっていたこともあって
「今だ!」って感じで入れてみました。

テレビでどこか田舎の風景を流してて、
それを観ていてこの曲が浮かんだのかな・・・。
浮かんでくるのを楽しむ感じですね。

言葉で語るよりも、生きていく強さを
自然から教えられることってよくありますよね。
小さな花がたくましく咲いているように、
シンプルなサウンドの中に、メロディをハッキリと打ち出してみました。

メロディがハッキリしているのでアレンジしないで、
歌とちょっとした伴奏だけでいいかなって思ったんです。

植物は踏みつけられても、
アスファルトからでも生えてくる生命力をもっていて・・・、
言葉で語るよりもガーンと生きていくことを語ってくれる。
そういう花のように咲けたらいいなって。
そして心を開いていきたいですね・・・。


-Impressions-

昔懐かしい曲調ですね。
昭和初期とかでなんか土手とかで子供たちが歌ってそうな・・・
音楽(その頃"音楽"って呼んでたのか?)の時間に
習って学校帰りに歌ってそうな感じの。

シンプルな曲なのに最後まで聞かせるのは、やはり、宇徳さんの歌唱力でしようか。

シングルがリリースされる度に一般紙の評論には
「新境地開拓、新境地開拓…」と何度も書かれているが、
この曲にこそ、まさにその言葉がピッタリあたはまるのではないかと感じた。
沖縄風というか、石嶺聡子さんを彷彿させた。
こういう曲も歌いこなすのか〜、と素直に感心してしまった。
宇徳さんの高音がとても心地よいので、是非目を閉じて静かに聴き入りたいと思った。
それにしても、宇徳さんに歌えないジャンルの曲ってないのだろうか…?

-Memo-

忘れな草
ムラサキ科、二年草。
4月〜5月に咲く花で、高さは20〜30cmぐらい。
ドイツの伝説で『わたしを忘れないで』の意味。

野辺
野原のこと


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